
立秋を過ぎ、名古屋も朝晩はちょっぴり過ごしやすくなってきました。
アートの秋にはまだ少し早いですが、名古屋近郊にある小さな美術館「
清須市はるひ美術館」で開催中の「渡辺おさむ お菓子の美術展」に出かけてみました。

まず、美術館の入口右手には、まるでケーキのように美しくクリームで装飾された石が置かれていて目を見張りました。展示会場までの通路では、「婦人の胸像」、「考える人」、それに「スカル」がまるでジュエリーのように存在感を放っていました。



今回の展示は、「Sweet Wonderland」「お菓子の美術館」「KARESANNSUI(枯山水)」「Trip of Cream」の4部門に分かれていました。
「Sweet Wonderland」では、お菓子の先生を母に持ち、幼少期から甘いものに囲まれて育った渡辺氏がまず始めたというお菓子をモチーフにした作品がずらりと並び、お菓子の家に迷い込んだヘンゼルとグレーテルのような気持ちになりました。「たべないでね」という注意書きに、思わず納得。どれもおいしそうでした。
「お菓子の美術館」中では、「Sweet Room」に飾られたフルーツやクリームで彩られたシャンデリアや調度品がとても素敵でした。本展の案内にも登場している「メディチ家」の人物の胸像はまるでスイーツのおしゃれな帽子をかぶっているようでした。

本展の色とりどりの作品の中で異彩を放っていたのが、モノトーンのケーキがたくさん集まった「Monochrome」という作品。非現実的な白と黒のケーキたちに逆に想像力をかきたてられるような感じがしました。
その他、渡辺氏が和をテーマに、白のクリームで作品づくりを試みているという「KARESANSUI」や、世界各地の風景や建築を背景にかわいいクリームを添えて撮影した「Trip of Cream」も新鮮でした。清須市での展示にちなんで、清須城を背景にちょこんとクリームが添えてある写真もありましたよ。
2階のスペースでは、、見学者がマカロンを作って「マカロンの塔」の作品づくりに参加できるということで、マミンカも作ってきました。クリームをきれいに絞り出すのが意外に難しくて、あまり満足のいく仕上がりにはなりませんでしたが、なかなか楽しかったです。

今回の展示を観て、マミンカは、近年ブームになっている「スイーツデコブーム」とは、コンセプトでも規模でも一線を画す「フェイク・クリーム・アート」の世界にすっかり魅せられてしまいました。
渡辺氏は、世界各地のギャラリーで展示を行ってこられたようですが、、本展は初の美術館での個展ということなので、デコ好きな方は是非足を運んでみてくださいね。

図録も素敵です。